Ruka170cm98F の 知恵ノート

医学部 再受験 理学療法士 などについての知恵ノート集

【18】理学療法士の今後についての考察

=はじめに=
 
理学療法士PT)の今後のニーズはどうなるか…これからPTになろうか、養成校に進学しようかと検討している人にとっては最も気になるテーマのひとつだと思います。
 
PTは増え過ぎてしまい、もう飽和状態だから就職はない…というコメントを見かけます。
お年寄りはもっと増えるし老人施設ももっと増えるから、PTの需要はまだ増える…という意見も聞かれます。
 
何だか、国民年金は大丈夫なのか破綻するのか…みたいな話に似ていますが、何事も大まかな予測を立てることができても先々までの緻密な予測をするのは困難です。もちろん、現職のPTであっても、見る人によって考え方は幾らか違うと思います。
 
注意
  • さまざまな意見があろうかと思いますが、わたしの個人的な考えを
  • 述べています。
  • あくまでも参考程度にされて下さい。
注意
  • 最終更新:2019/06。
  • ただし、最初の記載は2015/01です。
 
 
=現状としばらく先まで
 
現状のPTの就職について、その要点は、
【全体の数】
全体的には必ずしも飽和状態ではなく、PTの就職口は選びさえしなければ今のところ必ずある。
【地域性による差異】
地域による需要格差はある。
地域により、施設により、需要に対する充足度に差がある。
利便性の良い地域では人気があるため集中し、就職希望者の競争が激しい。
利便性の悪い地域(具体的には田舎)では就職口があっても人気がない。
【就職先の事情】
大病院への就職口は徐々に絞られている。
公務員系の病院の就職口はかなり絞られている。
回復期病床は基本的にはまだ増えると考えられる。
就職口のパイがどうなるかは各病院の採用計画に大きく左右されるが、病院の採用計画や採用意欲は医療行政に非常に大きな影響を受ける。
条件の良い病院はすぐに満たされる。
注:条件とは、給料であることもありますが、給料が安くてもこの病院は〇〇で有名で勉強になるから…という理由で就職先選びをする人も少なくないです。
老人施設等の施設とそのPTの需要はまだまだある。
注:ただし、そういった職場は新人PTの就職先としてはお勧めしにくいです。
【応募者側の要因】
採用試験で落ちる人の数は以前よりも確実に多い。
結局は成績優秀者は就職に困らない。
 
 
=コメント
 
理学療法士です。あくまでもわたしの個人的な意見に過ぎませんが、ご参考までにPTを取り巻く状況をまとめてみました。
わたしは現在はPTを引退していますが、このノートを書くにあたり複数の元同僚や科長クラスの現職PTにも意見を聞いて参考にしています。
それらの話を総合しますと、現場の人間で少なくとも取材した時点の2014年時点でPTが既に飽和状態を迎えているという認識の人はひとりもいませんでした。
選びさえしなければ就職難であるという状況にまでは陥っていませんし、恐らくもう数年はこんな傾向が続くだろうと思います。
需要はまだあり、まだ飽和とは言えず、どこでもよければ就職先はたくさんあります。現状、求人数は学生数の20倍以上(某専門学校の2014年8月時点)が来ています。だから、飽和状態とは明らかに言い過ぎです。
飽和状態とは、需要が完全に満たされてしまっていて、これ以上は入る余地のない状態のことです。
 
ただし、わたしはPT安泰説を唱えているわけではありません
PT数は2000年代に入ってから大幅に増え、特に病院の場合は需要と供給との格差がだいぶ埋まりつつあり、今は縮小基調であることは間違いありません。そのため、病院では以前ほど多く採用せず、人気のある医療施設では競争は激しくなっており、一部の地域では供給過剰気味であるだろうと思います。
 
では、なぜ就職口はまだ多く、飽和状態ではないのに、供給過剰気味なのでしょうか?
 
それは、ひとつには学生側が就職先を選ぶからです(そりゃあそうでしょう…の理屈です)。他の学部学科の卒業生が民間企業に就職する際、会社ならどこでもいいと就職するわけではありませんよね。それと全く同じことです。PTなら誰もがどこへでも好きなところに就職できるわけではなく(そんな時代はとっくに終わりました)、解り易く言えば、いいところでは既に椅子取りゲームになっているわけです。
 
貴方も養成校の最終学年になれば、必ず就職先を選別することになります。そこで目を付けた魅力的な就職口は、他の学生にとっても魅力的なので集中するのです。
つまり、就職競争です。
成績の良い人は良い就職先に決まっていきますが、成績下位の学生にまで行き渡るだけの魅力的な就職先があるのか?…ポイントはここですが、恐らくそうではありません
競争ですから、成績下位の学生は敗れることになります。
 
“選びさえしなければ” たくさんあります。しかし、選ぼうとする際の選べる幅は昔よりもだいぶ減っています。
現場のPTたちの多くがこのような認識を持っているようです。
昔が良過ぎたから…と言えなくもないです。
 
2014年までに約12万人のPTが誕生しており、ここ数年は毎年9,000~10,000人の割合でPTが誕生しています。この調子でPTが増加し続ければ、いずれは本当に飽和して溢れる人が出てくるに決まっています。現場の人間で10年先も大丈夫だと明言した人もひとりもいませんでしたし、わたしも大丈夫だとは全く思っていません。
 
こういった将来予測は、厚生労働省が行う医療政策にかなり大きな影響を受けます。実際のところ、医療機関は行政によって昔から振り回され続けています。こうしたら高い点数(診療報酬)が付けられますよ…と厚労省に言われて、そのように整備したところ、次の改定ではもう要らないと言われた…このようにガラッと変わったことも過去にありましたし、似たようなことは今後も起こり得ます。
“老人施設はまだまだある” と先ほど書きましたが、これとて厚労省の方針次第でどうなるか、本当のところは誰にもわからないのです。
 
2年ごとに診療報酬改定があるのですが、過去においてリハビリの点数が大幅に削減された年度の採用数は減る傾向があります。そりゃあ、収入が減ったわけですから。
実は、医療現場では、リハビリの需要自体掘り起こす余地はまだまだたくさんあります。もっと多くの人員が欲しい、もっと人員がいればできることはたくさんある…と考えている現場トップは実際には多いのです。
このように、潜在的な需要はたくさんあります。しかし、政治的にリハビリの点数が下げられれば病院としても儲からないため、経営側としては下手に多くのPTを雇えないのが実情です。
 
行政の影響を受けるということ…これは避けて通れない因子なのです。
 
本当にどうなるかはわかりませんけれど、恐らく…ですが、医療(病院)から介護や福祉の分野へとPTの需要はシフトされ、老人施設は今後ももっと増えると思います。そして、介護福祉の分野で余剰分のPTを吸収していこうと試みるはずです。
そして、それと並行して今後は国家試験の合格者数(合格率)を若干下げ、養成校数(養成校定員)は自然淘汰されて減少し、需要と供給の差をさらに縮めていってできる限りソフトランディングを図る…これが厚生労働省の狙いではないかとわたしは考えています。
 
注意
  • 以上がわたしの考えです。
  • 以下は細かい話なので、関心のある方だけご参照下さい。
  • =今後PTになりたい人はどうすればよいのか=
  • に飛んで下さい。
 
=概 況=
 
15年以上前はとにかく人手が欲しくて、見学で訪ねたある病院のPTトップから、「今日の病院見学を以って面接に代えます。履歴書を郵送してくれたら即採用します」…と言われ、非常に驚いたことがありました。さすがにこれは今はないと思いますが、当時は需要を満たすのが急務で引く手数多でしたから、採用選考で落ちることはまずありませんでした。
 
2014年7月にある養成校で求人票を閲覧する機会がありました。求人件数は800件以上もあり、学生1人当たり20倍以上でした(一般に夏過ぎに求人がさらに増えます)。そういった意味で現状就職できないことはまずありません。ホームページ上に、就職率100%…と記載している学校をよく見ますが、手間暇と多額のお金をかけて国家資格を取るわけですから、就職できなければそんな学校へ行く意味がありません。
この就職率100%は、クリアすべき当然の数字だと思います。
 
立地の良い地域にある病院は新卒PTに人気があります。県にもよりますが、利便性の良い地域の病院には就職希望者が集中し、採用選考の結果落ちてしまう人は結構います。人気のある総合病院で競争率が2倍以上になるのも珍しいことではなく、入試が最難関の国公立大学理学療法学科の学生でさえ選考に落ちる人がいるのが実情です。
逆に地方の小さな事業所等では募集枠が多くあってもあまり人気がなく、応募者が少ないのが実情のようです。
このように、地域格差等、職場によって状況はだいぶ違いがあるでしょうし、当然のことですが就職希望者には選り好みはあります。
 
どんな業界でもそうですが、退職等による自然減は必ずあります。わたしの元職場でも同期入職の同僚13人中4人(3割)が5年以内に離職していましたし、普通は年に1割程度の離職者は常に見込んでいると思います(注1)。事業存続のための計画的な採用は必要で、基本的に定期採用はゼロにはならないはずです。
しかし、現実にはPTの募集を見送った中規模以上の病院の話は聞きます。隔年で採用するために、採用しない年度もあるという病院もあります。
 
誰かが辞めないと就職口がないという状態に至っているのか…これは病院によります。これまでの過去10年で需要を満たした病院には30歳以下の若い層が多く占めており、この層の定年はまだありませんし、現在高齢のPTは数自体がしれているので定年を迎えたところで大量の若い新卒PTを吸収できる程のキャパは生じません。
 
注1:離職後は完全に引退する人もいますし(やはり女性に多い)、他の病院や施設に移る人もいます。それまで勤めていた病院のリハビリではなく、他のリハビリをやってみたいから他へ移りたい…という転職理由は多いです。たとえば、病院で今まで自分がやってきたリハビリが果たして在宅生活で役に立っているのだろうか…と思い、訪問リハビリに移った同僚もいました。
リハビリは医師の処方に基づいて実施するものですから、医師1人が入職したり退職したりするだけでその病院のリハビリの様相が大きく変わってしまうことさえあります。例えば、心臓外科医がやって来たから心臓リハビリを立ち上げよう…といった病院もあります。しかし、その反面、もし心臓外科医が辞めるとなったら相当ドタバタすることになります。
一口にリハビリと言っても病院ごとにその内容や考え方に差異があります。そのため、自分の興味関心に合わせて転職するPTも一定の割合で存在しています(注1終わり)。
 
確かに、以前よりもPTの需要はやや介護福祉系寄りになってきています。お年寄りがもっと増え、老人施設はもっと増えるから介護や福祉の分野にはまだまだ需要がある…と言われます(確かにその通りだとわたしも思います)。そして、介護保険に高い点数を付け、予防事業にも点数を付ける…こうやって介護福祉系を手厚くし、結果的に就職口のパイが増えて、余剰気味のPTを介護福祉系に誘導しようとする動きはあります。
と言うか、余ったPTの受け皿として介護福祉系へと誘導して行かざるを得ないのです。
 
しかしながら、介護福祉系の就職が今後さらに増えるとしても、新人PTが最初からその分野に進むことにはわたしなら賛成しません(理由は関連別ノート理学療法士になるにあたっての知恵ノート就職先について考えるヒントで述べています)。だから、介護福祉系の就職先の多さは学生さんにとってはノーカウントとした方がいいと思っています。
 
病院の回復期病床はまだ増えます。しかし、厚労省は基本的には病院を減らしたがっている立場です。だから、病院全体のパイが大幅に増加することは期待できません。
もう病院を選べない…という状況には至っていませんが、現在採用を続けている病院でも採り過ぎることのないよう採用数をやや抑え気味にしているでしょう。採用選考はしっかり行われているはずです。
 
繰り返しますが、潜在的な需要自体は多くあります
pt リハビリに力を入れますよの記事.jpg
ですが、厚労省はリハビリの点数を下げるなどして医療費の抑制を図ろうとしています。そのため、リハビリでは病院がなかなか儲からないようなシステムに陥っています。
それでも、患者さんに良質のリハビリを提供して地域住民に貢献しよう…という方針があれば、その医療法人では人件費がかかっても多く採用します。
いや、それほど儲からないから、現場では8名の増員を求めていても4名しか増員を認めない…というのなら、実際に8名必要でも4名しか募集しません。特に、公立病院ではPTを増員したくても、認められることがなかなかありません。ある市立病院のリハビリ室には計15名のPT・OT・STが在籍していますが、全然足りておらず本当なら計30名は欲しい…と科長さんは言われていました。
 
たまに「飽和」だと言う人がいます、しかし、この業界、これ以上やることがないわけではありません。やるべきことはまだまだたくさんあります。可能ならもっと規模を拡大したいと考えているリハビリトップは多いです。
ただし、人件費の問題はあります。
冒頭で、就職口は多いと書きました。ただ、そういった中でも、コスト対ベネフィットの関係で多く採用したくても採用できない…という構図は存在しています。
 
買い手市場になってくると、例え就職口があって就職することができても、給料水準で応募者側(PT側)に不利になっていくことは考えられます。給料水準は以前より安くなっているという意見も聞かれますが、わたしが求人票を見た限りでは、初任給は当時とあまり変わっていないように感じます。ただ、初任給が変わってなくても、昇給額(昇給率)が下がって全体的に給料が抑え気味にされていることは考えられます(昇給率はあまり表面化しにくいデータだからです)。現状、PTとして就職することは十分に可能ですが、待遇面ではあまり大きな期待はしない方がよさそうです。
 
 
=国試合格率から見た厚労省の政策=
 
わたしは厚労省の人間ではありませんので、これはあくまでもわたしの推測です。仮に厚労省の人間であっても、何を考えているのかの方針等を明言する部分と内緒にしておきたい部分とが当然あるはずです。そのため、政治的な意図が分かりにくいことがあります。
 
まず、下の表をご覧下さい。過去2005年から2016年までの国家試験のデータです。 

pt 合格者の推移2016.jpg

国家試験の合格率はさらに遡ると1994年(平成6年)が90.8%でしたが、1995年から2007まで13年連続で93%以上1984年から2007年まで実に24年連続で90%以上の合格率だったのです。
この頃まではPTは金の卵でした。
それが2008年(平成20年)は86.6%に、その後やや持ち直しましたが、2011年(平成23年)には74.3%へと大きく低下しました。これを境に合格率は6年間連続で90%未満となっています。
これは何を意味しているのでしょうか?
 
国家試験が難しくなっているのです(ただし、受験者のレベルが全体的に下がっていることも考えられますが)。
では、なぜ国試が難しくなっているのでしょうか?
 
勘の良い人ならお分かりでしょうが、政策的に国家試験を難しくして数の伸び率を抑えようとしているのです。
{養成校入学→養成校卒業→国家試験→PT誕生}の過程でPTは誕生します。この過程で、特に専門学校のAO入試等では誰でも簡単に入学できてしまいますし、これまでに相当な数のPT養成校が乱立してしまいました。結果的にその乱立を認めた厚労省(→専門学校)や文科省(→大学)が、今度は手の平を返したかのように、余った学校さんたちは潰れて下さい…とは言えませんので、国試を難化させることで量から質へとシフトした政策を取っているのです。
 
2011年の難化はやや出題傾向が変わったからとも言われますが、これぐらいの出題でこれぐらいの合格率が下がった…という、実験を行ってデータ収集をやってみたとも言えます。
2016年も2011年とほぼ同じ合格率でしたが、受験者の3,000人が不合格になっています。
学校に入りたい人には簡単に入らせて、免許取得を難しくする…ある意味アメリカ型の発想ですが、これに相まって、合格実績のよくない養成校は集客できずに採算割れして潰れていき、いずれは自然淘汰されていくと思います。
入学定員は2009年以降、現在までずっと13,000人台ですが、今後は大幅には増えず、いずれは徐々に減少に向かっていくだろうと思います。 

pt 養成校数の推移2016.jpg

厚労省もこのままではいずれPTが飽和することは百も承知でしょうが、今飽和しているとは考えてはいないでしょう。10年先とかのある程度先を見据えて、需要と供給が釣り合うように既に数の調整作業に入っていると考えられます。
まだPT自体は増えますが、増加率は長期的には鈍化に転じるはずです。
 
そういう意味では、逆に言えば楽観的な見方ですが、まだ当面は今の割合もしくは若干抑えた程度の割合で増やし続けることになると思います。わたしの個人的な予想ですが、国試合格率は80%(注2)、年間合格者数は今のレベルよりも若干下げて8,000人ぐらいの数を狙っているのではないかと思っています。
 
*2015/03/30追記
2015年の受験者12,035人に対し、合格者9,952人、合格率は82.7%でした。
今後もしばらく8,000~10,000人産出し続け、ある年からガクンと急減する可能性もあるかもしれないことも一応は織り込んでおいたほうがいいかもしれません。
 
*2016/03/29追記
2016年の受験者12,515人(過去最高)に対し、合格者9,272人、合格率74.1%。受験者が多かったため合格者は9,000人を超えていますが、3,000人以上の不合格者が出ています。
 
注2:作業療法士(OT)の国家試験合格率の過去10回の平均は80.2%で、80%未満が4回あります。言語聴覚士(ST)については、2014年の合格率は74.1%と過去10年では “最高” で、ほとんどの年で70%未満です。
これが他のリハビリ職種の合格率の状況です。こういった背景から、現在まで高かったPTの国試合格率が今後70%台で低迷したとしても、何の不思議もありません。
70%台が普通になる時代が来るかもしれません。学校を卒業してもPTになれない人が今以上に多く出てくることはあり得ます。
 
 
=今後PTになりたい人はどうすればよいのか=
 
まず、受験生に対して書きます。
平均的な頭があれば十分PTになれますが、資格を取るための就学期間やその学習内容、学費などを考えると、決してコストパーフォーマンス良好な資格ではありません。そのうえ、今後は就職競争がますます激化していきます。
何となく手軽に取る資格ではありませんので、よく考えてから目指して下さい。
 
=今後PTになりたい人はどうすればよいのか=
 
まず、受験生に対して書きます。
平均的な頭があれば十分PTになれますが、資格を取るための就学期間やその学習内容、学費などを考えると、決してコストパーフォーマンス良好な資格ではありません。そのうえ、今後は就職競争がますます激化していきます。
何となく手軽に取る資格ではありませんので、よく考えてから目指して下さい。
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【本当にPTになりたいと貴方は考えているのか?】
・医療やリハビリに興味関心があることが最低限の要件…これがないとモチベーションが続きません
 
【以下の人にはお勧めしません】
・医療やリハビリに興味関心がない人絶対に止めましょう
・勉強する習慣のない人絶対に止めましょう
・成績中位以上を取る自信のない人…学習能力のない人は苦労します
・自分で調べようとしない人調べ物をする機会は非常に多いので、知恵袋等で簡単な質問をすぐに丸投げするような人には向きません
親や先生に言われるがまま自分で判断しようとしない他人任せな人
・資格があれば何とかなると思っている人
・協調性のない人や他人と良好なコミュニケーションが取れない人
・高い給料を求めている人
・思いやりのない人…PTになって欲しくありません
 
PT養成校が国公立大学なら、卒業時の就職活動で溢れることは現状ではまずないだろうと思います(それでも、国公立大学の学生の全てが就職を一発で決めているわけではありません)。
ある程度の人数のPTは今後も必要で、PT自体が不要になることは絶対にありませんから、成績の良い人ならあまり心配は要りません。今後は、成績の良くない人が就職先を選べなくなるだけの話です。
椅子取りゲームですから、成績下位のPTから溢れてくることになります。
今以上にPTの就職事情が厳しくなってくると、最初に影響を受けるのは定員割れを起こしているような専門学校の学生です。そういった学校の成績下位の学生を中レベル以上の大学の学生と比較すれば、就職戦線で分が悪くなるのは誰が考えても明らかです。
 
それ以前に、高校時代に勉強する習慣がほとんどなかった人が簡単に学校に入ってしまうと、PTの学校ではそういう学生から真っ先に干されていきます勉強する習慣のない人がPTになるのは止めた方がいいと断言します。また、中レベル以上の成績を収める自信のない人も安易な進学は止めた方がいいです。
少なくとも勉強する習慣を高校生のうちに身に付けておいて下さい
自衛のためにはなるべくレベルの高い大学に、できれば国公立大学に入って下さい。
そこまでいかなくても、中以上の大学に行きましょう。
なるべく専門学校よりは大学に入っておきましょう。
もし専門学校に入るのであれば、なるべく歴史のある伝統校に行って下さい。専門学校でも大半の学校はそんなにヤバくないと思いたいですが、指導体制や学生の質に問題のある学校はあります。しっかりと学校を選んで下さい。
 
次に、PT養成校在学中の学生に対して書きます。
現場ではPTの質の低下がよく指摘されます。学内では好成績を収めておきましょう
就職先は選ばなければいくらでもある…ならば、選んではいけないのでしょうか?
いや、貴方にとって条件の良い病院を選んで下さい。
 
PTはかなり増えています。だから、選ぶからには競争になります。競争になるのは仕方がありません。成績が下の方の学生は思うように就職が選べなくなると思います。
そして、採用面接や作文試験などで貴方の資質が問われます。幅広い教養を身に付けておいて下さい。また、就職面接で落ちる人の多くは、面接での受け答えに難があると聞きます。コミュニケーション能力や協調性も試されます。
 
就職を心配するのもいいですが、成績の悪い人はそれ以上に国家試験の心配をした方がいいかもしれません。難化して合格率は恐らく下がってくるはずですから。
関連ノート 理学療法士養成校 第④編:国家試験合格率のカラクリ編 でも述べていますが、国家試験に受かりそうもない学生は卒業させない(留年させる)ケースを非常によく聞きます。学校の指導体制に問題があるケースもあるでしょう。しかし、成績が伴わなければ資格は取れないのはある意味当然のことでもあります。
何百万円も学費を支払ってきて、これでは目も当てられません。
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この道を選んだからには、しっかり勉強して、卒業して、レベルの高い理学療法士になっていただきたいと思います。
 
 
以上、思ったことを書かせていただきました。
PTになりたいと思っている人の不安を煽ることが目的ではありません。景気が悪い時期だと大学の他学部卒業生が民間企業何十社に履歴書を送っても、就職先が決まらないこともある時代です。
 
PTの生涯給料は多く望めませんが、夫婦共稼ぎならそこそこの暮らしをしていけますし、現状では就職はまだマシな方だと思います。しかし、資格があれば安泰…という考え方は完全に時代錯誤改めていただきたいと思います。
 
 
注意
  • 本稿はあくまでも当方が収集した情報に基づいて個人的な意見を述べた
  • ものです。これによって閲覧者の方々に万が一不利益がありましても、
  • 当方は責任は負えません。
  • その点はご了承下さい。
 
理学療法士の今後についての考察 終わり
 
 
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