Ruka170cm98F の 知恵ノート

医学部 再受験 理学療法士 などについての知恵ノート集

【13】理学療法士養成校 第①編:オープンキャンパス編

理学療法士養成校(オープンキャンパス編)


 
=はじめに=
 
昨今、医療系資格として理学療法士(以下PTと略します)や作業療法士OT)を目指す人が多くなっています。PTになるためには、PT養成校に入って勉強しなければなりません。
そこで、本稿 理学療法士養成校 では4編に分け、わたしの視点からPT養成校について思うことをいくつか述べてみたいと思います。
主として、PTになろうかな…と考えている人を対象に書いています
 
 
オープンキャンパスOC)についての記述です。
第②編:本編
OC 参加体験も含めてPT養成校について思うことを記述しています。
第③編:臨床実習編
…厳密に言えば養成校校内における実習ではなく、外の病院にて行われる実習のことです。
第④編:国家試験合格率のカラクリ編
…表題の通りです。数字に騙されないようにしましょう。
 
 
==========
 
 
 
夏にPT養成校のオープンキャンパス(以下OC)に多数行ってきました。
OC は夏に集中的にあちこちの学校で行われていますが、それ以外の時期でも年中まばらに開催されています。
 
今のPTの実態がどんなふうになっているんだろうか、知りたいな…と最近になって思っていましたが、養成校についてはOC という便利なものがあるので参加してみようと思いました。当初は興味半分でしたが、休日を潰し、スポンサーもないのに交通費(数千円)も自腹を切って、大学や専門学校を訪ねました。
その参加レポートを以下お届けします。
oc oc oc.PNG

注意
  • 個人的なレポートであり、個人的な意見です。
  • これらの情報により、閲覧者のかたがたに万が一不利益が生じましても
  • 当方は責任を負えませんので、その点はご了承下さい。あくまでも参考
  • 程度にお考え下さい。
  • 2014年8月現在のデータです。
 
ひとつお断りしておきますが、このノートの主要な目的はOC のネタバラしではありません。ひとつの学校だけ見てコメントを書いても、全体を反映するものにはなり得ません。複数の学校見学(私立大3校、私立専門3年制3校、私立専門4年制3校の計9校)を通して、それらの共通点や相違点から今のPT養成校の全体像を探り出そうとするものです。
 
 
 
pt open campus.JPG写真 5.JPG
pt ocan.jpg
オープンキャンパス参加で学生服は特に必要ないです(実際には高校の夏服のワイシャツ姿やブラウス姿が多い)。
*保護者の参加も多いです。
 
・学校紹介
全体説明、学校の特長の説明、校長の話。眠くなります。
 
・学科紹介
理学療法科の特長やカリキュラムの説明、教員紹介など。また、一般にPTはどんな仕事をするのかをパワーポイントや動画で説明。
 
・入試説明
流行のAO入試なども含めて入試制度を説明。
専門学校の場合、OC 参加者には受験料を安くする割とよくある)とか試験の得点を加点する(滅多にないがたまにある)とかの特典が付くことがあります。
OC への参加をAO受験の要件としているパターンも多いです。
作文や面接のポイントを教えてくれます。
一般入試の過去問や500円分のクォカードをプレゼントしてくれた学校もありました。
 
・個別相談
必要に応じて希望者。
 
・施設見学
教室や実習室など校舎や施設設備を見学。
 
・リハビリ体験
理学療法ではどんなリハビリをするのかを体験。先生や先輩が指導します。
どんな仕事をするのかを全く体験したことのない人は、一度は見学されることをお勧めします。見たことがある人にとっては、そんなに何回も見てもしょうがないと思いますが…。何回もOC にやって来る生徒さんに飽きられないように、毎回手を変え品を変え開催されているようです。
 
・体験授業
学校の模擬授業や学生によるレクチャー。
学校での授業内容など真面目な話も多いですが、中には素人が見て「えっ!」とちょっと驚く身体の不思議なトピックを紹介して、参加者の興味を惹こうとするものもあります。
 
・昼 食
例外なく無料で提供されました。先輩在学生と一緒に食事をとって、その間もいろいろ質問することができることもあります。
ocococococ.PNG
 
=OC の詳細や参加してみての私見
 
【全体を通してのコメント】
 
・OC の目的
OC の目的として、PTの仕事をよく知ってもらいたいよく知った上で入学して欲しい…という学校側の意図は感じられます。推薦入試やAO入試でもこの辺りの受験生の意識付けを大切にしているようで、入学してから「こんなはずじゃなかった」…ということは避けて欲しいという思いは感じられます。あくまでも現場の先生レベルでは必ずしも無節操に誰でも入学させるつもりではないようです。そこはやはり学校の先生もPTですし人間ですから、不幸な学生を出したくない…という思いはあろうかと思います。
それでも、学校レベルでは集客商売ですから、学力が相当低くてやる気のない生徒が入学することもたぶんよくあることだろうと思います。
個人的には学力試験を省いたAO入試などというものには安易さを感じざるを得ないのですが、そんなAO入試であってもPTの仕事をよく理解してから受験して下さい…というスタンスは感じます。AO入試の作文や論文でもその題材はPTの役割を貴方なりにどのぐらい理解しているかを書かせるものが多いように感じます。
志望理由のはっきりしない受験者の場合、誰でも受かると言われているAO入試でさえ落ちることがたまに起こります。
 
OC は特に専門学校の場合、年に数回開催されますが、各回で体験テーマを少し変え、次回もまた来て下さい…という雰囲気はあります。実際、その学校のOCに来るのは2回目だという高校生はかなりいました。
 
・公に言いたくないこと
ある学校で先生方にズバリ質問してみますと、昨年は〇人が国家試験に落ちました…とか、△人が留年しました…、中退は◎人います…とか、具体的な数字を挙げて説明した場面もありました。
ただ、やはりなるべくなら公表したくない数字もあります。たとえば、定員が40人の学校で国家試験を実際に受験したのは何人だったのか等、きわどい部分はボカした説明になっていました。
 
もう少し具体的に書きますと、ある学校は「うちの学校では国試を全員に受けさせる方針にしています」(注1)…と言います。そして、「今年は残念ながら2人不合格でしたが合格率は全国平均を上回る91.3%でした」…と言われます(注2)。
ということは、不合格者={100-91.3}%=8.7%=2人ですから、国試を受けた学生の総数が23人であることが計算できますよね。
(8.7%:100%=2:X 、∴X=22.98…≒23
つまり、クラス定員は40人なのに23人しか受験していないのです。事前に入手していたその学校のデータ(注3)とピッタリ一致するので計算に間違いはありません。その他の欠員17人については、留年したか既に中退しているか…なのでしょうか。
ところが、最初におっしゃっていた数、{留年△人+中退◎人}が、17人に比べてかなり届かない数だったのです。もし△人や◎人の数に偽りがなければ、入学時から定員割れしていた…残る可能性はこれしか考えられません(注4)。
いずれにせよ、学科定員は40人なのに、たった23人しか受験していない…という事実をあまり公に言いたくないのです。
 
注1:編:国家試験合格率のカラクリ編 でも述べていますが、国試に受かりそうもない学生には最初から受けさせない学校はよくあります(その学生はもちろん留年になります)。
注2:学校の特定を避けるため、数値は若干変えています。
注3:編:国家試験合格率のカラクリ編 に学校別の合格者数の資料があります。
注4:一般に専門学校の定員充足率は年々下がってきています。
 
特に中退者の多い学校の中退者数定員割れしている学校の入学者数はイメージの悪化につながりますから(注5)、国家試験合格率の悪い学校の合格率以上に言いたくない数字なのです(④編 でも解説しています)。
 
注5:それでも、中退が1割ぐらいの数なら、どこの学校でも仕方がないと思います。
 
以前は学生が40人いれば、少なくとも35人は国家試験を受験していたものでしたが、上記のような、{留年・中退・定員割れ}等の理由により定員の0.5~0.7倍ぐらいの人数しか国家試験を受験していない学校が珍しくないようです。
 
・先輩在学生
先輩たちは学校の雰囲気や授業の様子、勉強やアルバイトなど、概ね率直に語ってくれたと思います。
公に知られたくないことは緘口令(かんこうれい)を敷いている学校もあったかもしれませんが、全体的にはあまりそういう印象は受けませんでした。
 
以下に述べる【リハビリ体験】【体験授業】は多くの学校で{先生が主導、学生は補助}のパターンが多かったのですが、中には先輩在学生たちが主導でOC の運営や校内の設備を解説しながら見学者のガイドをしていた大学もあり、非常に感心した学校がありました。
一方で、在学生たちは校舎内の案内係をしているだけで、話す機会が全くなかった残念な学校もありました。
 
・先輩にこんな質問をしてみて下さい
Q1:ここの学校を選んだ理由は何ですか?
Q2:他の学校はどこか検討しましたか?OC 参加校や併願校)
Q3:他校と比べてこの学校はどこがよいと思いますか?
ここしか受からなかったから…という返答もあるかもしれませんが、一応参考にしてみましょう。必ず複数の学生に聞いてみて下さい
他校の質問をしてみると、実はあそこの学校は…と悪いところを指摘してくれる人もいました。決してネガティブキャンペーンではなくて、彼らも複数の学校のOCに参加した時の体験や印象を率直に教えてくれるものです。
A校のOC なのにA校にいながらB校やC校の口コミ情報が得られるわけです。
ただし、回答は鵜呑みにせず、妥当性があるか吟味は必要です。
 
今回わたしは多くの養成校を訪ねましたが、やはり、物事をいろいろな視点から眺めてみたり、比較してみたりすることの大切さを感じますし、改めて良い社会勉強になったと思っています。
 
・就職資料
某学校では、学校に来ている求人票を見せてもらいました(全ての学校で閲覧できるわけではありません)。部外者には通常、求人票を見る機会はありません。最近の実情を知る良い機会でしたが、わたしが学生だった10年以上前と条件的にはあまり変わっていない印象注6)を受けました(実はわたしは元PTです)。
求人件数は学生数の20倍以上ありました(2014年8月現在)。
 
注6:編:本編 でも述べますが、昇給は以前よりも下がっていて、経験年数の割に給料が抑えられている可能性はあります。しかし、求人票に昇給額まで記載されていることはほぼありません。
 
【リハビリ体験】
 
車椅子体験、物理療法体験(電気刺激療法・温熱療法・腰椎けん引療法)、テーピングなど、比較的手軽に体験できる内容のものが多いです。
 
*電気刺激療法機器(左)
oc 電気刺激.JPG
*テーピング(高校生の体験施術によるもの)
pt テーピング.jpg*渦流浴(温熱療法の一種)
pt 渦流浴.jpg
 
 
【体験授業】
 
模擬授業は物足りなさを防ぐためか、複数のテーマが用意されています。
総じて、大学では神経生理学的なテーマを用意する等、内容的にはアカデミックであり、人体の仕組みやなぜそうなるのか…の科学的思考過程を大切にしている様子を感じます。
専門学校でも比較的アカデミックな内容のものも一部ありました。つまり、経験的な視点ではなく(もちろん経験も大切ですが)、科学の視点で話をしている…という点です。ただし、専門学校の場合は特に、そこの学校の先生個人レベルの資質に非常に大きく左右されると思います。
 
機器を使って行うデモンストレーションのひとつが下の写真のようなものです。
pt image b.PNG
テーマの中で最も多かったものは骨や筋肉に関係するものです。たとえば、
・骨模型を使った人体の解剖を解説
・筋肉のストレッチの前後で身体の柔軟性がどのぐらい変化するかを診る
・火事場の馬鹿力を実演する
…等です。デモンストレーションがやり易いという理由もあると思います。先生や先輩在学生がレクチャーしてくれました。
 
展示模型のごく簡単な解説のみに留まっていた学校もあれば、触診(皮膚の上から触って骨や筋の状態を診る手技)も合わせて実演し、見学者にも触診を体験させて指導していた学校もありました。
表面的な話だけで終わってしまうのか深く掘り下げた話にまで発展させるのかの違いであり、学校ごとのレベルの差を感じます。
pt image h.PNG
余談ですが、ある養成校の学生さんは、寛骨(骨盤)と大腿骨の模型を組み合わせ、「これが股関節で、こんなふうに動きますよ」…と関節の動きをデモンストレーションしてくれましたが、なんと『左の寛骨』と『右の大腿骨』を組み合わせておりました!
わたしは黙って見ていましたが…。
骨って、
・左右あるものについては左右の区別
そして、各骨の
・上下(近位側・遠位側)
・前後(腹側・背側)
・内外(内側・外側)
を見分けるのは慣れないとなかなか難しいものなのです。ただ、これが1年生ならともかく、3年生でこんなことでは大変お粗末です。
 
どこの骨?右?左?
pt 骨模型 2.JPG
答え:右大腿骨
 
その他、そこの学校の学生を被験者として、リハビリの施術(具体的な〇〇療法など)を行うデモンストレーションもあります。
また、PTが得意とする分野に動作分析姿勢観察があるのですが、こういった観点からデモンストレーションをしていた学校もありました。これは解説してもらわないと素人の高校生が見ても全くわからないもので、現職PTでも経験の浅い人だと難しいものです。
 
重心動揺計など高価な機器を持っている学校では、そういった測定機器を使っての体験もありました。
 
【体験授業の続き】
 
重心動揺計など高価な機器を持っている学校では、そういった測定機器を使っての体験もありました。立位姿勢で目を開けている時と閉じている時との重心動揺がどのぐらい違ってくるかを計測するものです。  
pt 重心動揺計.JPG.jpg写真 (2).JPG
 
【入試説明】
 
専門学校ではAO入試の説明時間がやたらと長かったです。AOやら推薦やらの特別入試が多くてややこしい。
学校にもよりますが、大まかに言って、秋頃までに定員の5割以上を採り、後半のAOや推薦で3~4割を採って、残り1~2割を一般入試で採る…という構図らしいですが、AOや推薦で十分数が確保できればそれで早々と締め切る(今年はAO入試の出願者が多くて8月で締め切るかもしれません)…と公言していた学校もありました(注7)。
大学を受験する人で滑り止めで専門学校を一般入試で受ける場合、一般入試が2倍以上になることがないとは言えません。3年制は4年制よりも学費が安く学生が集まり易い傾向があるようで、一般入試の倍率はやや高くなり易いようです。
 
注7:ただし、これは学校がホラを吹いているのかもしれません。そろそろ一杯になりますからと言って、受験を考えている人を急がせているのかもしれません。
 
大学でもAOや推薦などの説明はありましたが、専門学校ほど時間を割いていなかった印象です。
 
前述しましたが、国家試験の合格率という数字以上に、専門学校は入学者数という数字が気になるようです。入学者が少なく定員割れしていれば、そもそも経営が成り立ちません。受験生や父兄に与える印象は悪く、その学校のメンツに関わります。実態は部外者にはあまりはっきり掴めませんが、定員を若干オーバーしている学校もある一方で、定員割れしている学校も巷には恐らくいくつもあると思います。
 
4年制専門学校では学費の関係で学生がなかなか集まりにくい(注8)ようで、ほぼ全入学と考えていいと思います。
今回訪ねた学校にはありませんでしたが、AOや推薦などの専願入試の受験料をタダにしている学校もあります。
 
注8:3年制専門学校の学生に質問してみると、学校選びで学費をかなり意識していることが判りました。
 
大学では定員割れとは無縁のようで、私立大学では辞退者を見込んで定員の2~3倍ぐらいの合格者を出して、1.1~1.5倍ぐらいが入学するのは他の学部学科と同じです。3倍以上の受験者がいれば落ちる人は当然います。
私立大学に落ちて、専門学校に一般入試で入る学生はもちろんいます。
 
わたしは個人的にはAO入試反対派なのですが、それはさておき、AOで入ることを考えている人にアドバイス。貴方の高校からその専門学校に行った先輩がいるなら、高校の先生からなるべく早い段階で情報を仕入れておきましょう。
OC (=オープンキャンパス)に参加すること自体がAO入試や推薦入試の受験の条件になっていることも多いので、できるだけ早くOC などで学校見学をしておきましょう。
 
ただし、できるだけ早く進学先を決めましょうと言っているのではありません
AOや推薦は専願になっていることがあります。専願で受かってから辞退すると、貴方の高校の先生や後輩たちに迷惑をかけます。「専願入試」とは、受かったら必ず入学すると約束して受ける入試です。十分注意して下さい。
 
専門学校のАOは、1回落ちてもしっかり対策すれば、3回目までにほぼ100%の人が受かります。受かるためには、どんなことをまとめて面接や作文試験に臨めばいいかをOC で教えてくれます。AOの作文でどんなふうに書けばいいかわからない…という質問が知恵袋にたまにあります。そういうことはOC で聞いてヒントをもらって下さい。答えをまるまる教えてはくれませんが、入試担当者が詳しく指導してくれるはずです。 
入試対策.jpg
一般的に、学力にあまり自信のない生徒は進学先を早く決め、自信のある生徒は選択肢をある程度広げたままにして後半のAO入試や一般入試に臨む…だいたいこんな構図になると思います。そんなこともあり、あまり学力のない生徒は焦って早々と学校を決めてしまう結果になるかもしれません。専門学校側も学生を早く確保したいため、AOの受験料を半額にしたり(あるいはタダにしたり)、楽に決められることを匂わしたりしています。
 
受験科目はAO入試や推薦入試では面接と作文程度。一般入試では面接、国語の現代文、英語、生物、化学、数学Ⅰ(ⅠA)等から2科目など。
入試の難易度は 第②編:本編 で述べます。
 
【施設見学】
 
体験授業と施設見学とが兼ねていることが多いです。
取り敢えず必要な設備は整っている…から、高価な機器が導入されている…までいろいろでした。ただ、そういった設備の良し悪しは素人目では恐らくあまりよく判らず、いくつかの学校を見比べて初めて違いが判るものではないかと思います。そういう意味でも、複数の学校のOC に行くことをお勧めします。
中には研究熱心な先生がこういった高価な測定機器を使って論文を書いていることはあります。ですが、先輩在学生にコッソリ聞いてみると、授業ではあまり使ってない…と言っていました。設備が良くても学生が全然使わないのなら、宝の持ち腐れですね。
こういった機器をゼミで使用します…と言っていた大学もありますが。
 
PT学科のみがひとつの校舎に入っている学校もあれば、OT(作業療法士)、救急救命士、臨床工学技士や、鍼師、灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師など複数の学科が入っている学校もあります。個人的にはどちらでもあまり関係ないと思います。
医療では多職種(他職種)連携が大切だと言われます。確かに、患者さんの情報を共有する看護師OT言語聴覚士ST)、医療ソーシャルワーカーMSW)、ケアマネージャーCM)等の仕事内容をある程度は知っていてもいいと思いますが、養成校在学中はある程度で十分です。
実際のところ、按摩マッサージ指圧師や柔道整復師注9)はPTと職務上ほとんど関わりがありませんし、救急救命士臨床検査技師診療放射線技師、臨床工学技士となるとPTとは全く接点がありません。
 
注9:按摩マッサージ指圧師や柔道整復師がクリニック等のリハビリ室で “みなしPT” として働いていることはあります。
 
希望者のみですが、学生寮のある学校の場合、学生寮を見学できることもあります。
 
【昼 食】
 
高校生が好きそうなハンバーグ弁当もあれば、栄養士養成コースを持っている某大学では栄養に気を遣ったメニューを選択できたりといろいろ。
oc lunch.PNG
先輩在学生と一緒に食べた際は、ズバリの質問にもかなり本音で語ってくれたかな…という印象はあります。ただ、知らないことは知りませんと言いますし、学校事情についての話しづらいことも言及を避けているように感じましたが、学生生活などの話は概ね率直な意見を語ってくれたと思います。
なぜここの学校を選んだのか?…と在学生によく質問しましたが、他校のOC と比較して雰囲気がよくて選んだ…と答えた学生が多かったです。
国立大学に行きたかったが、滑り止めでここしか受からなかった…と言っていた人もいました。
 
【その他】
 
遠方の人のために無料送迎バスが用意されていることもありました。
また、交通費を一部または全額負担してくれる学校もありました。
 
【進学希望の人へメッセージ】
 
入学前に養成校を2校しか見ていないと言っていた先輩在学生が多かったのですが、貴方が本気でPTになることをお考えなら最低でも3~4校、うち1校は大学を含めて見学に行って欲しいと思います。確かに、学校の雰囲気は似たり寄ったりのところもありますが、全く違うと感じることもあります。いろいろです。
実際に見て比較して欲しい比較することを学んで欲しい…ということです。
大学の先生は大学がいい、専門学校の先生は専門学校がいい…と、各々もっともなことを言いますが、最終的には聞く人の判断です。
 
個人的には大学の中から進学先を第一に探すことをお勧めします。やはり大学の方が内容の質的なレベルは高く学生のレベルも高かったと感じています。そして、第②編:本編 での話題ですが、今後さらにPTの就職戦線が厳しくなっていくと、特に専門学校で実績やコネの少ない学校では希望の病院に就職しにくくなる可能性が高いと思います。
 
余談ですが、専門学校では今回見学した6校のうち、もし自分がもう一度PTの養成校に行くとしたら、ここの学校なら行ってもいいかな…と思える学校が1校ありました。先生の視点がアカデミックで、深く学べると感じたからです。その次はここかな…と思う専門学校も1校ありました。その他の4つはイマイチで、特にお勧めしません…というのがわたしの個人的な感想です。
 
以上、PT養成校オープンキャンパス取材レポートでした。ご参考になれば幸いです。
 
 
=病院見学の勧め=
 
OC だけではなく、どこかの病院のリハビリ見学もお勧めします。
 
最近では中学校や高校の課外授業の一環として、職場体験としての見学が行われることがありますが、そうではなくて、貴方がPTになりたいと決意を固める自主的な見学にして欲しいと思います。
 
リハビリ室を持っている中規模以上の病院の大代表に電話し(注10)、「将来理学療法士になりたいと思っているので、実際に行われているリハビリを見学させていただけませんでしょうか?」…と個人的に相談してみて下さい。リハビリ室につないでくれます。「理学療法士の学校を受験する前に現場のリハビリを是非一度見てみたい」…という思いをしっかりと伝えれば、断られることはあまりないと思います(注11)。
基本的に見学するのは平日になるでしょうから、夏休みなどの時期をお勧めします。病院によっては回復期リハビリテーション病棟などで土曜日や日曜日にリハビリをやっていることもあります。
 
注10:電話をかけるのは昼休みの12時半頃か夕方がよいでしょう。仕事が一段落したタイミングです。朝は特に忙しい時間帯なので、朝に電話をかけるのは控えましょう
注11:高校生の場合、その見学が高校の先生の勧めや宿題であるかのように勘違いされるかもしれません。そこは誤解されないよう留意して下さい。あくまでも貴方が自主的に、個人的に行う見学です(高校とは関係ありません)。なお、見学の旨を事前に保護者に相談してから電話をかけるようにして下さい。
注:蛇足ですが、見学時に学生服の着用は不要です。高校の宿題や課外学習で見学するものではありませんから、むしろ学生服着用はしない方がよい。しかし、リハビリ室には実際の患者さんがいますから、常識的な服装で行って下さい。
 
現場のPTが多忙だと長時間の話は聞けませんが、話す機会があれば仕事のことをいろいろと尋ねてみるといいと思います。その他、志望校のことで「〇〇大学(〇〇専門学校)に進学することを考えています」等と言えば、もしかして何らかの学校情報を持っているかもしれません。
こうやって、事前に一度現場を見ておくとモチベーションが上がっていいと思います。
 
わたし自身もPT養成校を受験する前に、市民病院、労災病院国立病院機構の総合病院を3つ見学しました。3つも見なくても、1つでもいいでしょうが…。
見学した経験談は受験面接の際のネタにもしました。
pt リハビリ室.JPG
 
 
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