Ruka170cm98F の 知恵ノート

医学部 再受験 理学療法士 などについての知恵ノート集

【12】理学療法士になるにあたっての知恵ノート

理学療法士になるにあたっての知恵ノート

 
 
①はじめに
理学療法士養成校にはどんな学校があるのか
③養成校の学費はどのぐらいかかるのか
④専門学校の4年制と3年制はどう違うのか
 →詳しくは関連別ノート 理学療法士養成校 第②編(本篇) 参照
理学療法士の数はどのぐらいいるのか(統計)
⑥就職先はどうなっているのか(統計)
⑦勤務について
⑧就職先について考えるヒント
⑨待遇(給料)
⑩女性理学療法士について
理学療法士になるべきか
 
 
 
①はじめに

理学療法士です。
当方が理学療法士PT)になったのは10年以上も前のことであり、もはやフレッシュとは言えませんが、この知恵袋にご質問される人のために、特にPT養成校へ進学を考えている人のためにいくらかの情報提供ができればと思い投稿しました。
 
本稿は主としてPTになろうかな…と検討している人を対象に書いています
卒業後の進路についてのヒントも記載しています。
 
ご参考になれば幸いです。
 
 
=免責=
  • 情報の信憑性には万全を期しておりますが、それを保障するものではありま
  • せん。ここで紹介する情報で万が一閲覧者のかたがたに不利益、トラブルが
  • 発生しましても一切責任を負えませんのでご了承下さい。
  • 2014年のデータを基に作成していますが、適宜修正加筆することがあります。
 
理学療法士って何ですか?…というご質問が散見されます。
どんな仕事をするのかは以下の動画をご参照下さい(日本PT協会)。
 
理学療法士(人)は Physical Therapist で、PTと略されることが多いです。
理学療法(治療法の一種)は Physical Therapy で、こちらもPTと略されます。
 
PT養成校に入学し、卒業すると(卒業見込可)理学療法士国家試験の受験資格を得ます。国家試験に合格し、免許登録をしますとPTになれます。
 
作業療法士OT)との違いはこちらをご覧下さい。
 
 
理学療法士養成校にはどんな学校があるか
 
以下は全国の養成校一覧表(日本PT協会)。
 
大学(4年制)
国公立大学……23校…全定員の4% (この他に国立盲学校1校あり)
・私立大学………78校…全定員の33%
短期大学(3年制)
私立短期大学…6校…全定員の3%
専門学校4年制
・私立専門学校…64校…全定員の27%
専門学校3年制
・国立専門学校…1校…定員20人 (この他に国公立の盲学校2校あり)
・私立専門学校…77校…全定員の33%
 
*最新のデータでないのは申し訳ないですが、2016年6月現在。
*2014年6月のデータと比較して、4年制専門学校は4校減少し、私立大学が6校増加しています。
*募集停止校は除外。
 
③養成校の学費はどのぐらいかかるのか
 
・国立大学(4年)
年間授業料535,800円、入学金282,000円。
卒業までの4年間の学費の総額は約243万円です。ただし、教科書代や実習にかかる宿泊費や交通費は別途かかります。
 
公立大学(4年)
その地域の住民か否かで入学金に差を付けています(詳細は各大学のホームページ参照)。例えば、大阪府立大学総合リハビリ学研究科の場合で、本人や家族が1年以上大阪府内に住んでいれば282,000円、それ以外の人は382,000円。
年間授業料は国立大と同額。教科書代や実習にかかる費用は別途必要。
 
・私立大学(4年)
全ての大学を調べるのは大変なので、数校しか抽出調査していませんが、卒業までにかかる学費の総額(施設設備費や*諸費用込は550万~750万円ぐらいです。
 
私立短期大学(3年)
6校ある短大の、卒業までの学費総額の平均額は約450万円でした。
 
・国立専門学校(3年)
2000年代前半までは全国に国立専門学校が9校ありましたが、国立校の役目は終わった…ということでその後は閉校が相次ぎ、現在は「東名古屋病院附属リハビリテーション学院」の1校しか存続していません。
東名古屋リハビリ学院の、卒業までの学費の総額は約248万円です。別途教科書代や教材費が年間約20万円かかります。実習費は授業料に込み。
なお、格安の学生寮があります。生活費も含めて経費を考慮すると入寮は経済的に非常に大きなメリットになります。恐らくトータルで最も安く理学療法士免許を取得する方法です。
詳しくは同校の公式ホームページを参照。
 
・私立4年制専門学校
卒業までにかかる費用の総額(*諸費用込)は500万~700万円ぐらいです。
 
・私立3年制専門学校
卒業までにかかる費用の総額(*諸費用込)は400万~500万円ぐらいです。
 
注:いずれも、学費免除や学校の奨学金制度などを考慮していません。
 
*諸費用…については、
・教科書代…20万~35万円ぐらい
・制服…ケーシーという制服(下の写真の女性が着ている服)
・器具…打鍵器・ゴニオメーター等…買わなくていい場合もある(任意購入)
・臨床実習にかかる交通費や宿泊費…卒業までのトータルで30万~40万円ぐらい
・同窓会費等…学校による
等があります。これらを「学費」に含めていることもあれば、「別途必要」としていることもあります。
 
なお、名古屋大学では学士編入試験(修業年限3年間)を実施しており、学士があれば2年次に編入学する方法もあります。この場合ですと、入学金と授業料を合わせて3年間189万円で済みます(諸費用は別途)。定員は3人、出願時期は毎年7月中旬です。
詳細は同大学のホームページを参照。
写真 (1).PNG本2.JPG
 
 
④専門学校の4年制と3年制はどう違うのか
 
4年制には卒業研究があるようですが、3年制は一部を除き基本的にありません。それ以外は、実は4年も3年もあまり変わりはありません。4年制は一応トータル3400時間以上履修することになっていますが、同じ内容を4年でやるか3年でやるかの違いだと完全に言い切ってもいいぐらいです。
 
以下は4年制、3年制の各々が良いと主張している部分を抜粋したものです。
 
*4年制が良いとする主張
4年制がいいとする意見①.jpg
4年制がいいとする意見②.jpg
*3年制が良いとする主張
3年制がいいとする意見①.jpg
3年制がいいとする意見②.jpg
4年制専門学校を卒業すると高度専門士という称号が与えられ、
・大学院への入学資格が得られる
・公務員系の病院に勤める場合、学士(大卒)に準じた給料が得られる
というメリットがあると謳われています。
これに対し、3年制ですと称号は専門士です。
 
高度専門士の称号の社会的な評価の高さはどうなのか?…が問題ですが、実際のところ??です。わたし自身の体験でも、高度専門士と専門士の能力の差や評価が現場で話題になったことは皆無です。
 
詳しくは別ノート理学療法士養成校 第②編:本編
で述べます。
 
 
理学療法士の数はどのぐらいいるのか(統計)
 
PTは急増していると言われています。そこで、実際にどのぐらいの割合で増えているのかを知るには具体的な数字でつかむのが一番です。
これを一部書き出したものが以下の表です。2016年の分まで記載。  
pt 養成校数の推移.jpg
1990年にはPTは1万人しかいませんでした。
・その後の11年間で2万人プラス2001年に3万人突破
・さらに、その後の11年間で7万人プラス2012年に10万人突破
2000年以降の急増ぶりがわかります。
統計上、2016年現在で14万人のPTがいます(休業中の人やPTを引退した人もいて全員が現職ではありませんが)。
 
全国の養成校数は2000年で118校でした。その後、規制緩和策によって乱立が始まり、急増して現在は250校を超えるまでに数を伸ばしています。
大学は都市圏でまだ増えそうなのですが、専門学校は2009年の165校をピークに減少傾向、現在までにピークより13%減少しています。
 
総定員は2009年に13,000人を超えてからほぼ横ばいです。今後は入学定員が多少増減することはあっても、大幅には増えないと思われます。
 
PT国家試験合格者数の推移は以下の通りです。これまでの説明でも、PT数が急増していることが解っていただけると思います。 
pt 合格者の推移2016.jpg
合格者数(黄緑色の棒グラフ)は毎年8,000~10,000人ぐらいです。
 
ここ最近の動向を大雑把に述べると、毎年
・PTを目指して学校に入る人…13,000人
・国家試験を受験する人…10,000~12,000人
・実際にPTになれた人…8,000~10,000人
というイメージです。
つまり、入学者100人のうちPTの免許が取れるのは70人前後
入学者の3~4人に1人はPT免許が取れてない…ということです。
 
国家試験に落ちてしまうと、せっかくもらっていた就職の内定は取り消しになるケースがほとんどです(助手として採用する施設は非常に少ない)。大変厳しいですが、国試浪人・就職浪人ということになります。
その場合、翌年にまた国試を受験することはもちろん可能です。ただ、浪人生の国試合格率は一般に非常に悪いのが実情です。
 
ちなみに、PT国家試験は280点満点で、
総得点が60(168点)以上であること
・うち、実地問題120点満点中 43点以上を得点していること
以上を満たすと合格です。
 
 
⑥就職先はどうなっているのか(統計)
 
病院のような医療系もあれば、介護福祉系もあります。で述べたサイトの最初の表にPT協会会員約10万人の施設別就職先が書かれています(非会員の統計は不明です)。
 
これを見ますと、医療系が全体の67を占めています。そして、大学病院や総合病院では1施設あたりの平均PT数は約12人であることが判ります。
これに対し、医療福祉中間施設や福祉施設は全体の9%で1施設あたり2人)であることが判ります。
 
注:あくまでもPTが1人以上いる職場における平均PT数が2人だということです。
実際にはPTが1人もおらず、OTのみがリハビリスタッフとして働いている福祉施設も多くあるはずです。
 
医療系ですと回復期リハビリテーション病床のある病院でまだ多めに採用していることもあります。最近では365日リハビリを行う病院も多くなっており、職員のシフトのやり繰りが大変なほどPTやOTが多くいる病院もあります。1つの病院で20人を超えるPTが在籍し、OTとST(言語聴覚士)と助手さんを合わせてリハビリ室が40人以上の大所帯であることも珍しくありません。
回復期リハビリ病床はまだ増える傾向があります(代わりに急性期病床や療養病床は減っていきますが)。
pt 病院はどう変わるか 201603.JPG
 
介護福祉系でリハビリ専門職の需要は確かにあります。しかし、老健老健は正確には医療介護中間施設)や老人ホーム等の施設ではその1施設当たりの需要は病院ほど多いわけではありません。
 
厚労省は医療費削減のため病院を早く退院して自宅に帰りましょう(業界用語で在宅復帰と言います)と在宅復帰率の向上をいつも考えています。このように医療から在宅介護へ…の流れはあり、今後訪問リハビリの需要はますます拡大するものと考えられます。実際、訪問リハビリの整備は現状まだ十分に進んでいません。
 
 
⑦勤務について
 
この業界では4週6休(または週休1.5日)や4週7休が多いようです。完全週休2日制の施設ももちろんありますが、どちらかと言えば少数派のようです。
クリニック外来等では日曜は休みで、あとは他のスタッフと交代でちょこちょこ休むパターンが多いようです。
 
前述の通り、最近では365日リハビリを行うところも多く(市立病院などの公務員系でも一部そういう病院はあります)、PTは週5~5.5日出勤し、自分が休みの日は別のPTが患者さんのリハビリを代行する仕組みになっています。そのシフトを組む関係で、貴方の休みは毎週〇曜日と決まっているとか限りません(決まってないことの方が多い)。お盆や年末年始、GWなどに連休を組めなくはないですが、他の職員との兼ね合い次第。
なお、定められた休日数はほぼ確実に取れます。いったん決まった休日に出勤させられ潰されることはあまりありませんし、最悪そのような場合でも代休は取れます。
有給休暇が取り易いかどうかはその職場の雰囲気によるものが大きいでしょう。職員が少ない施設だと、自由に取得するのは現実的になかなか難しいかもしれません。
 
看護師さんと違い、普通に勤める限り夜勤はありません8時30分~17時30分(例)で休憩1時間込みの8時間労働が基本です(施設により、開始と終業の時刻に多少の違いはあります)()。
ですが、二交代制の病院もあります。やや極端な例ですが、早出が6時~15時で遅出が13時~22時、休憩1時間(8時間労働)、13時~15時に早出の人は遅出の人に申し送りをして、入院患者さんの起床から就寝まで(6時~22時)の時間帯の全てをPTやOTが出勤してカバーしている勤務体制の病院もあります。
こういったことは職場の方針によります。
 
注:週休1.5日でも、1日8時間未満として週合計40時間未満としている施設はあります。
 
残業レセプト(患者さんが受けたリハビリ等の医療費の明細書)をまとめる月末になるとやや多くなります。
それ以外で、残業する理由として多いのはカルテ記載報告書作成ミーティング等です。カルテや報告書で時間を喰うかどうかは各人の処理能力次第ではありますが、やはり新人PTは慣れておらず時間がかかる傾向があります。
デイケアセンター等では、後片付けや、利用者情報共有のための終業前ミーティングが多少長引くことはあります。
 
そもそも、終業時間になってすぐに帰り易いかどうかは一般論ですが職場の雰囲気次第です。仕事がなければさっさと帰宅すればいいのに…といつも思っていましたが、先輩PTに変な気を遣ってダラダラ残っている若年者が多かったです。
 
終業後の職場勉強会はだいたいどこの職場でも行われます。ただ、その頻度や時間の長さは職場によりさまざまです。中にはほぼ毎日のようにやっている病院もあり、その資料作りでいつも残業になると愚痴をこぼしていた他院のPTやOTはいました。
 
PT養成校の実習生が来ると、実習生のバイザー(教育係)を務めるよう命じられることもあります。その場合、レポートチェックやフィードバックで残業になることはよくあります。
 
理学療法士の業務について】
 
 
⑧就職先について考えるヒント
 
わたしがPTになった15年以上前でも、介護福祉系の求人は山のように多数ありましたが、新卒でいきなり介護福祉系へ行く同級生は皆無でした。医療系に就職して、疾患やリスク管理に対する経験を積んでおけば、その後転職する際に医療系でも介護福祉系でもどこへでも行ける素地ができるからです。
 
一方、介護福祉系の場合、
・急性期→回復期→在宅…の流れを見る機会がない
・症状がほぼ固定している入所者(利用者)さんが多い
・症状や生活動作は診るが、疾患についての知識を深く掘り下げる機会があまりない
・病歴情報が少ない(既往歴、手術歴の不詳例が多い
・元々一人職場など少人数の職場が多く、先輩に教えてもらう機会に乏しい
 
 
…等の理由から、経験の乏しい新人PT向きとは言えません。そのため、最初から介護福祉系へ行ってしまうと、その後に医療系へ転職することがその経験のなさ故に非常に難しくなってしまう現実があります。
つまり、将来的な可能性を狭める結果になります
 
現在でも就職先のメインは医療系ですし、養成校でも学生には病院への就職を勧めているようです。病院で先輩方に指導を受けながら経験を積んでいく OJTオン・ザ・ジョブ・トレーニングがベストです。
最初の就職先は医療系を強くお勧めします
 
中には急性期病床回復期リハビリ病床を持つ中規模病院でありながら、本院とは別に
・診療所(クリニック外来)
・通所リハビリ(デイケア
通所介護(デイサービス)
・訪問リハビリ
・短期入所施設(ショートスティ)
…等の併設の関連施設を持って事業展開する法人もあります。すなわち、地域住民を自分たちで囲い込んでいるわけです(これは生き残り策の一環です)。
こういったところなら病院のリハビリも経験できますし、人事異動で介護福祉系の仕事を経験することも可能です。
 
最終学年になったら病院見学をしますが、見学先ではトップの人の話だけではなく、1~3年上の先輩方からも職場の話をよく聞いておくといいと思います。そういった若い人は意外と本音を漏らしてくれることがあります。
 
ただし、ここで貴方の態度や話し方などで印象を悪くしてしまうと、「こんな後輩は欲しくない」とトップの者に上申され、採用面接が低評価になってしまいますから油断大敵です。面接官はもちろん管理職が務めますが、貴方と接した若手の職員の意見が反映される(「今日見学に来てた学生の〇〇君、後輩として欲しいか?」などと尋ねる)ことも意外とあります
 
ここ最近はすぐに就職が決まるわけはなく、選別される時代です。貴方の印象が良ければ、それだけでも採用される可能性が多少は上がります。
そこはやはり、相手も人間ですからね。
 
 
 
⑨待遇(給料)
 
以下、主として病院について記載します。
 
・年収(総支給額)
大まかに、300万円前後~450万円ちょっとぐらい(諸手当・ボーナス込)。
ただし、部長、課長、科長、技士長(施設により呼称は様々)に昇進すれば、この限りではありません。
 
・初任給
民間病院では年収300万~350万円程度、月給ベース20万~23万円が中央値です()が、施設によりこれよりも多い少ないの幅はあります。一般に、都会の大病院では安い傾向にあります。
 
注:民間病院の初任給はホームページ上に載せてないことがほとんどです(当院規定による…等と記載)。上記の金額は養成校に来ている新卒向けの求人票をオープンキャンパスにて当方が閲覧し、直接拾い上げた大まかな数値です。
 
・昇 給
PTの初任給は4年制大学から一般企業に就職した人と比べ遜色ありませんが、民間病院の昇給はあまり多くありません。それゆえ、10年勤務しても職場によっては年収400万円前後だという話はよく聞かれます。
この知恵袋を見ると、非常に少ない病院で昇給500円とか昇給ゼロの施設もあるという回答も散見されます。
わたし自身の過去の昇給(年1回)は平均4,500円でした。
10年目ぐらいになると昇給が少なくなるようで、2015年に元同級生に尋ねたところ、彼は昇給1,000円だったと言っていました。
ただし、金額はもちろん施設により異なります。
 
この業界では、30歳以下が47.6%、40歳以下が81.6%(2016年3月現在)と、若い世代が圧倒的に多いことも他の業種と比較して平均年収が統計上あまり高くない理由の一因になっています。
では、20年、30年勤めれば他業種並みの給料水準になるのか?
昇給額が少ないことから、長年勤めてもあまり金額が大きく伸びることは期待できない…というのがわたしの見方です。
 
・昇 進
昇進して肩書きが付けば役職手当が付きます。わたしのかつての職場(民間病院)の例で、月額
・主任代理(≒副主任:呼称は施設による)…5千円
・主任…1万~3万円
・課長補佐(主に看護師さん対象でしたが)…2万~6万円
・課長…6万~10万円
でした。わたしの職場で主任代理になるのに6~10年を要しましたし、今は職員が多く、ならない人はずっとなりません。
昇進すると、リハビリ本来の仕事に加えて管理業務が多くなってきます。
 
・公務員系病院と民間病院
公務員系の病院では{大卒&4年制専門卒}と{短大卒&3年制専門卒}の間で給料に差を付けています。下表は某4県の独立行政法人国立病院機構の求人案内です。
pt 大卒と専門卒の初任給の比較.PNG.jpgpt 某県職員募集.jpg
公務員系病院では、その初任給は{大卒&4年制専門卒>短大卒&3年制専門卒}と言えます。わたしが調べた限り、この差は月額で数千~14,000円ぐらいでした。
 
民間病院ではこういった差を付けず学歴に関わらず初任給は同額のことが大多数のようです。理学療法士養成校 第②編でも述べますが、当方が新卒向け求人票で調べた結果、ある民間病院で12,200円(205,700円と193,500円)の差を付けていたのと、全国展開している T州会グループで1,500円の差を付けていた以外では見つけ出すことはできませんでした。
 
初任給の比較では{民間病院>公務員系病院}ですが、公務員系病院は初任給が少なくても昇給は民間病院よりも恐らく多く、生涯年収は{公務員>民間}というのが定説です。
なお、公務員系の病院への就職は一般にかなりの狭き門となっているのが実情です。最初の何年かは契約社員扱いの病院もあります。
 
・病院以外
以上は病院の給料でしたが、高い給料を求めて訪問看護ステーション等を立ち上げて経営するなどして年収1000万円以上稼ぐ人も少数ながらいます。
また、雇われ人として働く場合でも、田舎の老健や老人ホーム等ではやや高めの給料を出す傾向があります。そのため、にも書きましたが、最初は医療機関に勤務して経験を積んだあと、比較的給料のよい介護福祉系の施設に転職する人もいます。
 
 
⑩女性理学療法士について
 
就労環境調査について、興味のある人はご参照下さい。
 
わたしのかつての職場では産休育休の制度はあり、復帰後フルタイムで働く人が多かったですが、事情によりパートタイムで働く人もいました。また、病院には託児所が併設されていました。ママさんたちにとって割と働き易い職場だったように思います。
中規模以上の病院なら託児所はまずあります。
 
華奢な女性PTさん(150cm、40kg台)は現役でおられますから、体格が小さくても心配無用です。必要に応じてリハビリ介助を助手さんにお願いすることもできますし、体格の非常に大きな患者さんは並以上の体格のPTに担当してもらえば済む話です。
PTは事務職と違ってある程度の体力は必要ですが、肉体作業員のような腕力が要る仕事ではありません。確かに、全身で患者さんを支えたりはしますが…。リハビリが短時間に集中して忙しく動きまわったり、病棟の階段を何度も昇降してバテてしまったりで、どちらかと言うと持久力の体力でしょう。
それでも、体力が続かない…とPTからケアマネージャーに転向する人も中にはいます。
背の高い人は小柄なお年寄りのリハビリで中腰姿勢が多くなり、腰を悪くしてしまうことがたまにあるようです。PTやOTで腰痛持ちは結構います。
 
いろいろありますが、総じて女性に優しい仕事だと思います。
 
 
理学療法士になるべきか
 
PTの今後の展望就職等)についての個人的な意見は関連別ノート理学療法士の今後についての考察にまとめましたので、そちらをご参照下さい。
 
貴方がこの道に進むか迷っているなら、まずはリハビリや医療に興味があるかを問い直して下さい。これが最重要です。仕事としてやっていきたいという気持ちがあれば少々のデメリットには眼を瞑れますし、それなりにやりがいのある仕事だと思います。
 
手に職があれば有利じゃないか…と安易な気持ちで進学すると、行き詰まって、後悔する可能性が高いです。PTの勉強は決して楽ではありません。それに、私学では学費が高額な割に好待遇ではありません。志の低い人は入学してから精神的に苦労することになりますから、最初から止めておいたほうがいいです
その上、留年すればファミリーカーが1台買えるぐらいの学費が余分にかかることになり、経済的にもずっしり圧し掛かることになって、一気に心が折れます。
特に専門学校では中退する人は決して少なくありません
 
そもそも、医療やリハビリに興味が湧かない人はPTの学校に進学してはいけません少なくとも事前にどんな仕事なのかを自分なりに確かめる努力をして下さいある程度納得してから自分で決断することが最低限必要です。
 
 
以上、ご参考になれば幸いです。
 
理学療法士になるにあたっての知恵ノート 終わり
 
 
 
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