Ruka170cm98F の 知恵ノート

医学部 再受験 理学療法士 などについての知恵ノート集

【05】国公立大学医学部受験の面接についての考察

 医学部の面接について

 

 このノートの目的


国公立大学二次試験の出願前までにお読み下さい
 
このノートの目的は、医学部面接には一口に面接と言ってもさまざまなやり方がある…ということを知ってもらうことです。医学部の面接について、閲覧者の方々が調べるキッカケになればと思い作成しました。特に初めて医学部を受験される人、今後医学部受験を考えたい人向けに書いております。
 
面接を恐れていては医学部を攻略することは難しいでしょう。しかし、この面接でしくじって低評価になってしまうと、学力試験で高得点を収めていてもその成果は水泡に帰す恐れがあります。
 
なお、面接突破のため、「医学部の志望動機はどう言えばベストなのか」「質疑にどんな受け答えをすべきなのか」…等のハウツーには触れておりませんのでご了承下さい。その辺の話については、別のサイトを探すか、本屋さんで書籍を探すかしていただければ容易に発見できるかと思います。


 面接における選考基準の例


ほとんどの大学医学部で、学科試験とは別に面接が取り入れられています。
この面接は、医療従事者として不適格と思われる人物を排除することが主たる目的であると考えられます。自分がヤバい人物でなければ心配する必要はないのですが、どのような面接を実施しているのかを予め知っておくことの有用性は言うまでもありません。
 
当方の別の知恵ノート医学部受験 国公立大学医学部医学科の後期日程試験についてでも、後期日程試験を実施する国公立大学のうち、面接に関してのコメントを出している大学についてはそのコメントを青字でそのまま引用して記載しています。
 
例えば、鳥取大学医学部の後期日程では、その受験要項に、
個人面接によって, 社会常識, 問題意識, 医学を志す動機などについて質問し, その対応などを通じて, 医師となるのにふさわしい資質,思考の柔軟性, 発言の論理性等を総合的に評価します。
という評価基準が出されています。

鳥取大学に限らず、どこの医学部であっても、面接においては上記のような評価基準が最も妥当なものと考えられます。大学によっては、こういった評価基準が受験要項に全く書かれてないこともありますが、概ねこんな基準で判断されるのだな…と思っていいでしょう。
 
受験要項に面接の評価基準を細かく記載してある大学もあります。
例えば、広島大学医学部の後期日程の場合、
個別面接を行い,勉学意欲,志向,個性,協調性,社会常識などに関する医療人としての適性を総合的に評価します。面接試験(個別面接)において,4名の面接員が,A(是非入学させたい),B(できれば入学させたい),C(できれば入学させたくない),D(入学させたくない)の4段階評価を行い,評価Aを25点,評価Bを20点,評価Cを5点,評価Dを0点にそれぞれ換算し,面接員の合計点をもって個別学力検査等(面接)の得点とします。
というコメントが大学側から発表されています。
ここまで細かく評価基準が公表されている例は稀で、ほとんどの大学では評価基準はブラックボックスです。
*この大学側のコメントは2014年入試向けのものです。
 
佐賀大学医学部の後期日程の場合、
(面接について)2日間にわたり面接試験を実施します。第1日目は調査書等を基に,第2日目は自己推薦書を基に実施します。医学部志望の動機,学習意欲,積極性,生命や医療に対する倫理観,チーム医療の一員となる上で不可欠の協調性やコミュニケーション能力について対話・口述を通して評価し,将来優れた医師,看護職者になるために十分な適性を備えているかどうか総合的に判断します。なお,評価が低い場合は不合格とすることがあります。
(調査書について)単に学業成績優秀というのみでなく,心身ともに健全で規則的生活習慣を保ち,学習意欲,積極性や協調性に富んでいるかを高等学校3年間の行動記録である調査書及び自己推薦書によって評価します。また,面接にあたっても参考にします。
と大学側から発表があります。
*このコメントも2014年入試向けのものです。

佐賀大学のような、事前に自己推薦書を書かせる大学の場合、その内容はかなり重要なものになると考えられます。センター試験が終わってからでも二次試験出願までに作成する時間はありますが、こういったものが要求されていることを知らないでいると、出願時に少々慌てることになるかもしれません。
 
大学によっては、自己推薦書ではなく、志望理由書等、やはり事前に作文を書かせておいて、願書とともに提出させる大学もあります。字数は数行程度と少ないものもあれば、宮崎大学のように600字程度も書かせるケースもあります。
 
公式ホームページや赤本等を見ただけではそういった書類が必要とされていることが事前にはわからず、経験者の話を聞くか、実際に出願書類を取り寄せ、その中身を見て初めてわかるものもありますから、そういう大学もあるということを一応留意しておいた方がいいですね。
出願する可能性のある大学の願書は全て、少々お金はかかりますが、前もって取り寄せしておいた方が無難です。センター試験が終わってから願書を取り寄せるのはあまりお勧めしません。
 
後述する代々木ライブラリー「医学部面接ノート」には、この辺りのデータも載せられています。
 
推薦入試なら調査書の内容は当然重視されます。
それでは、一般入試において調査書の内容が重視されるのか、あまり参考にされないのか…これについてはたいていの大学でほとんど参考にしないと考えられますが、実際には佐賀大学のような例もあります。
また、山形大学でも面接の評価には調査書の評価を含む…と受験要項で発表しています。しかし、どのような評価の仕方をするのかは不明です。

名古屋大学医学部の後期日程の場合は、英文の課題に基づいた面接(口頭試問)…と大学側から発表があります。こうなると、普通の面接とは性質、形式がだいぶ異なりますね。面接自体が一種の学力試験になっています。
 

 面接の実施例


単に面接といっても、実にいろいろなやり方があります。

形式的に最もスタンダードなものは、
「個人面接、面接官3人、15分間、医学部志望動機等を尋ね、適性を探る」
というものでしょう。
 
ですが、面接時間、面接回数、参考にする書類、その他、大学によってやり方に差があるのです。

面接を10分間行う大学、15分間行う大学、20分間行う大学があります(
時間の長い面接ではネチネチ聞かれてしんどい!かもしれません)。
多くの大学では面接は1回ですが、2回行う大学もあります。
個人面接を行う大学が多いですが、集団面接を行う大学もあります。
*個人面接と集団面接の両方を行う大学もあります。
「医学部を志望する理由」の志願理由書等、作文を出願時に同封させ、面接時にそれをもとに質問する大学があります(提出する作文のコピー(写真)を予め撮っておいた方がいいでしょう)。
 
面接に自信のある人なら、面接にたっぷり時間をかける大学を受ける作戦もありますね。そういう人は少ないとは思いますが。
各大学、後期日程実施校については前述の通り、別ノート医学部受験 国公立大学医学部医学科後期日程試験についてに上の青字のような大学側からの発表コメントを引用しておりますので、ご参照下さい。
 
前期日程校については引用しておりません。全ての大学の要項をここに記載することは字数的にも労力的にもできませんので、ご自身で志望大学のホームページ等を参照されて下さい。
 
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以上、当方が思っていたことを簡単にまとめてみました。
 
面接は嫌だなぁ…と考えている人は多いと思います。実際、わたしも嫌でした。それで、各大学の面接方法を調べていて、大学によりやり方に相当な違いがあることに気付いたので、ここにまとめた次第です。
どんな面接になるのか全く予備知識なしで志望校を選ぶよりは、予め概略だけでも知っていた方がいいと思います。
 
まずは志望校について調べてみる、あるいは調べてからその大学を志望校にするか否かを検討する…どちらでもいいですが、とにかく一応は志望校の面接の概要を知っておいた方が無難です。
 
ご参考になれば幸いです。

 

 参考書籍


書籍では、毎年秋に発売の代々木ライブラリー「医学部面接ノート」が参考になります。一口に面接といっても、どのような面接を行っているのかを情報収集して事前に知っておくことの有用性は言うまでもありません。 面倒臭がらずに本屋さんに足を運んでみましょう。
 
ただ、残念なことに、全ての大学を網羅しておらず、記載されてない大学も多くあります。恐らく前年度受験生にアンケート調査をしたものであり、ここに記載されていない大学は前年度の受験者がたまたまいなかったのでしょう。1年前の出版本や2年前の出版本等の、複数年度のものが揃えば、全国の大学のカバー率はかなり高くなると思います。
 医学部面接ノート.jpg知恵ノート:代ゼミ医学部面接ノート(2014.2013.jpg
この本は、各大学ごとの面接実施具体例については細かく書かれており参考になります。こういった面接の具体的なやり方を大学ごとにまとめた本は他ではなかなか発掘することができませんから。

ただし、面接のテクニックといった、受け答えの仕方の例、模範解答には頼るべきではありません質疑応答集というものに頼ってしまって、貴方なりのオリジナリティーのない回答をしてしまうと、墓穴を掘ることになりかねませんから、そこは注意が必要です。
基本的に、自分の能力を超えた模範解答の丸暗記は非常に危険。切れ味のよい刃物と同じで、使い方を誤ると大怪我をします
 
他にも面接参考書は本屋に行けばありますが、そういった質疑応答例はほんの参考程度にしておきましょう。
せいぜい、昨今の医療を取り巻く社会事情を把握するのに留めた方が無難です。
 
その他、インターネットサイトにも面接についての参考記事はあります。
*ただし、当方は代ゼミ駿台河合塾などの予備校関係者ではありません。

 
医学部受験 面接についての考察 終わり
 
 
 
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