【02】医学部から研修医まで…どのような過程を経るのか(高校生向けに書きました)その2
医学部から研修医まで その2
⑤医学部の専門教育におけるドイツ語や物理や数学について
⑥医学専門教育
⑥医学専門教育
⑦留年について
注意
- =免責=
情報の信憑性には万全を期しておりますが、それを保障するものではありません。 - ここで紹介する情報で万一閲覧者のかたがたに不利益、トラブルなどが発生しまして
- も、当方は一切責任を負えませんのでご了承下さい。
- 2013年12月のデータをベースに、適宜編集しています。
①②③④
➇⑨⑩
⑤ 医学部の専門教育におけるドイツ語や物理や数学について
④は一般教養教育の話ですが、この⑤からは医学部医学科での専門教育の話です。
医学部でドイツ語、数学や物理を使うのか…といったご質問がこの知恵袋でよく見られます。
医学部専門課程においてドイツ語は今や全く必要ありません。医学部の授業でドイツ語単語を覚えさせられることはありません。
わたしは以前、総合病院で働いていた経験がありますが、個人的にも臨床現場で聞いたドイツ語単語はマーゲン(Magen:胃)その他数個しかありませんでしたし、和製ドイツ語がたまに出てきても数は極めて少ないです。
物理や数学に関しては、結論的に言うと難しい計算式は抜きにして結果を利用するだけのことも多く、高校で習う基礎的事項や概念を理解していれば十分だと思います。
また、初歩の生理学では血圧の概念を説明するためにオームの法則
{電圧=電流×抵抗}→{血圧=血流量×末梢血管抵抗}
がよく引用されます。中学3年~高校1年レベルの知識の応用ですが、さすがにこの程度も解らないようでは困ります。しかし、そうかと言って大学入試問題レベルの話が必要になることは通常はありません。例えば、血管内を流れる血液の流体解析等を研究していくとなればそれなりの理解がなければなりませんが、普通そこまで要求されることはありません。
入試で生物を選択した人には、エントロピーとかエンタルピーといった聞き慣れない言葉も出てきますが、概念が解ればいいことですから深く突っ込んでやらなくても特に問題になることはありません。
あまりこれを書きますと、一部の先生からお叱りを受けるかもしれません。物理や数学ができなくてもいいとまでは言いませんが、これが実情です。
*概念を示すためのものとして、この程度の文字式が出てくることはあります。
わたしはよくこう回答するのですが、結果的に医学科に入学できた人ならまず大きな心配は要りません。入れた人は高校レベルの基礎的な素地があるということです。基礎学力のない人が医学科に入れるとは思えませんから。
また、たとえ化学・生物で受験した人でも基本的な物理ぐらいは多少勉強すれば医学生なら誰でも理解できるでしょうし、理解できないようなハイレベルな物理は出てきません。
同様に、物理と化学で受験し、高校生物をほとんどやっていなかった人でも、大学医学部からの一連の生物系科目をやっていくにあたり困っている学生をあまり見かけたことがありません。入試で物理と化学が必須になっている北陸地方の某国立大学の学生にも聞きましたが、ほぼ同様の答えでした。
もちろん、高校で生物を履修していればそれなりに有利であり、学習理解にはかなり助かるだろうと思います。凡例ですが、「優性遺伝(あるいは劣性遺伝)」と聞いて、それって何?…と思っているようだと授業理解のスピードは落ちます。物理化学で受験した人でも、ごく初歩的な生物の知識はあった方がいいのは言うまでもありません。ただ、その辺をフォローする一般教養科目の生物学の授業は1年次に履修すると思います。
いずれにせよ致命的なことではありません。結果的に医学科に入学できた高学力の人なら、入学してから何とかなります。大学受験で選択しなかった理科科目のことはあまり心配し過ぎないことです。
入試で物理必須の大学では、論理的なものの考え方ができる学生が欲しい…と考えているようです。しかし一方で、受験は物理を使うからと高校で生物を全くやってない医学生も最近は多いんだなぁ…と嘆いておられる先生もいます。
いろいろな考え方があるようですよ。
余談ですが、一般的に物理を苦手とする女子が多く、入試で物理必須の大学は女子を減らしたいからそうしているんじゃないか…と噂されたことがありました。これがもし本当だとしても、はいそうです…などと大学側が正直に言うことはありません。
しかし、二次試験で物理を必須化した関東地方の某大学では、2011年の入学生と比較して、2012年入学生、2013年入学生の女子の割合が(偶然なのか)明らかに減ってきている…という話をわたしは在校生から直接聞きました。
なお、次の⑥を前倒しして記述しますが、医学部専門教育における医学英単語はたくさん覚えなければなりません。一部の大学では、臓器のラテン語名も覚えなさいと言われることもあるらしいですが、大抵は英語名だけでよさそうです。
解剖学的な臓器名や疾患名が英語で覚えるべき主な単語です。
基礎医学(⑥参照)の講義を英語で行う大学も出てきています。
*日経新聞(2015/01/27)
英文読解では英語文献を読むことはあります。また、貴方が将来論文を日本語で書く時でも、せめて Abstract(摘要)ぐらいは英語で書くように…と言われるかもしれません。あるいは、全部英語で書きなさい…と言われるかもしれません。
また、大学病院の臨床実習(主に5年生以降)等で英語を要求されることがあります。と言うのも、近年、海外の医師や医学生が大学病院に勉強に来ていて、カンファレンス(症例検討会議)では英語による意思疎通が必要となる場面がたまにあるからです。実際のところ、臓器名や疾患名の英単語を知っていて、簡単な英会話力があれば何とかなりますが、これで苦労する人もいます。
英語の需要(注1)は間違いなくこれからも増えていきます。
注1:大学受験においては医学英単語を知っている必要はありません。入試英語の医学専門用語には【注】が付きますから。
なお、臨床現場のカルテ記載は日本語です。医師だけではなく、看護師やソーシャルワーカー等の、他の医療従事者も患者さんの情報を一本化されたカルテで共有するため、日本語なのです(稀に患者さんからカルテ開示が要求されることもあり、やはり日本語が基本です)。
カルテ記載において、医師が英単語をところどころに使う(名詞や形容詞を単独で使用する)ことはあっても、英語で文章を書く(英作文をする)ことは通常ではまずありません。
余談ですが、電子カルテ導入以前のまだ紙カルテだった時代には、ミミズが這ったような誰にも判読できない走り書きのアルファベットで記載していた医師は珍しくありませんでした。
⑥ 医学専門教育
授業形式としては
・実習
・問題解決型学習PBL(Problem Based Learning)…グループで行う学習
があります。
医学教育の中身は本稿の趣旨からしてメインテーマのひとつなのですが、この辺の内容は各大学のホームページ、医学生のブログや手記、予備校のパンフレット等に書かれていることがあり、恐らくそれなりに見かける機会が多いと思います。
【医学部教育についての河合塾の参考資料】
そこで、わたしなりに取捨選択し、大学による違いも加味しながら、あまり触れられてないことも詳しく書きます。
1~2年次の一般教養教育では、人文科学や社会科学などで自分が選択したいと思った科目を選択して履修しますが、医学専門教育では基本的に選択科目はなく、ほぼ全て必修科目として履修します。
1年生前期から医学専門教育が少しずつ始まり、講義は医学概論、細胞生物学、医学英語などからスタートします。最近では地域医療が疲弊しており、そのため、どこの大学でも地域医療学への取り組みに力を入れてきています。
ちなみに、医学概論と地域医療学は試験はなく、レポートでした。
医学英語は班ごとにプレゼンテーションを行ったり、英文記事に関する自由英作文の課題がたまに出たりしました。この辺のやり方は大学の先生によって違うと思います。先の⑤でも述べましたが、医学英単語は必須知識です。
実習については、主に1~2年生(注2)のうちに見学型・体験型の実習がカリキュラムに組み込まれています。
注2:カリキュラムの都合上、3~4年次に行われることもあります。
主な見学型・体験型実習には、
・病院(診療所)見学(1日×10回ぐらい)
・患者体験実習
・地域医療実習(半~1日×数回)
・救急車実習
等があります。
救急車実習とは、救急車に同乗して救急救命士の仕事や患者さんの病院搬送の実際を直に見学するものです。
2年生から3年生にかけては基礎医学科目が中心になり、授業のコマはこれらでかなり埋まります。
もし一般教養科目をまだ全て取れていない場合は、これら医学専門教育の授業とカブっていない空きコマの授業を履修申告して取りに行くことになります。
基礎医学科目には、
・解剖学
・解剖学
・組織学
・発生学
・生化学
・生理学
・病理学
・薬理学
・微生物学
・医動物学
・免疫学
・公衆衛生学
・法医学
等があります。
基本的に覚えることが主です。知識の詰め込み学習だとよく言われますが、ベースとなる知識はどうしてもそうなります。しかしながら、丸暗記だけで全てOKとは思えません。基礎となる解剖学や生理学の知識を駆使して理屈を覚えることも併せて非常に大切になってきます。理屈をよく理解していれば、丸暗記の量を削減したり、凡ミス的な勘違いをなくしたりすることができるからです。
確かに丸暗記は多いですが、丸暗記が全てだ…と言い切ってしまうのはちょっと違うんじゃないかと思います。特に、その後の臨床科目(3~4年次)に進んでいくと、例としてホルモンの絡む内容(代謝・内分泌内科等)では理解するのに非常に頭を使います。
なにしろ量が多いので、機械的な丸暗記だけでは無理があります。最近の医師国家試験でも、単純な知識問題は減少傾向です。
この頃に並行して行われる基礎医学系実習に
・組織学実習(顕微鏡で組織を観察して色鉛筆でその様子を描く)
・生理学実習(PCR (DNAの増幅)、神経伝達速度の測定、脳波測定、他)
・衛生学実習(簡単な衛生環境の測定評価)
等がありますが、この時期の実習で最も大きいものが
・人体解剖実習
でしょう。ご遺体を約4人の班で約3ヶ月かけて解剖していきます。このように人体の構造を知るために医学生の実習として行われる解剖のことを系統解剖といいます(注3)。この解剖は日本では医学部医学科や歯学部の学生にしかさせていただけません。このような機会が与えられている医学生は大変恵まれていると思います。
余談ですが、解剖実習中にコメディカル(看護師、理学療法士等の、医師以外の医療職)の学生が見学に来ることがあります。わたしもかつて理学療法士養成校在学中に医学部の解剖実習を見学する機会がありました。その当時わたし自身がメスを持って解剖することはありませんでしたが、臓器を手に取って観察させていただいたり医学生と一緒に勉強したりと大変学びが多かったです。
これまた余談ですが、ご遺体はホルマリンのプールに沈めて管理する…というのは都市伝説です。そのような雑な管理はしません。実際にはご遺体のソケイ部(太ももの付け根)の大腿動脈からホルマリンを注入し、その後アルコール置換するそうです。
どこの大学であっても、3年生前期辺りまでは大同小異だと思います。
ただし、多くの大学で2年次から始める生化学や解剖学などの講義を1年次から行っている大学はあります。
*臨床医学の授業
問題解決型学習(PBL)では、ある仮想患者さんについて問題点を抽出し、多角的なアプローチで病因を探り出していきます。NHKの「総合診療医ドクターG」をイメージしていただければいいと思いますが、それを学生数人の班で討論しながら学習を深めていくもので、チュートリアル教育(注4)と呼ばれます。基本的には仮想患者さんの症状や病態、検査値データ等が事前に与えられますから、それらについての予習をした上で臨みます。各グループには先生が付きます。
ところで、実際のところ先生により教育に対する考え方は様々なようで、教育熱心な先生もいらっしゃる一方で、中にはぶっちゃけ話やる気のない大学病院の先生も残念ながらいます(どこの社会でもそういうものです)。
注4:ただし、このようなチュートリアルをやっていない大学もあります。
また、多くの大学で研究室研修(研究室配属、基礎配属など呼称は様々)があります。どこかの研究室に一定期間所属し、特定のテーマに沿って学習成果をまとめるものです。他学部でいえば、ゼミみたいなものです。他の授業と並行して1年近く断続的に行い、最後に発表の機会が与えられている大学もありますし、これが2~3ヶ月間だけの大学もあれば、こういった研究室研修を全く実施していない大学もあります。
某大学では4年次ですが、約5ヶ月間研究留学で学年の2割が海外に行く大学もあり、大学により取り組み方は様々です。
研究では仮説を立てて実験やデータ収集解析を行います。
個別に研究室に所属しない限り、医学生で研究らしいことをするのはある意味このぐらいの機会しかないのかもしれません。
なお、上記のカリキュラムとは別に、わたしの大学では実際にどこかの研究室に任意で所属していて研究活動をしている学生がいますが、どこの大学でも研究室に任意で入る機会は与えられていると思います。研究室で何かやってみたいという学生は歓迎されるはずです。
研究テーマについて、わたしの大学の例を少し挙げてみますと、
・神経ペプチドの組織学的解剖学的解析
・〇〇(タンパク質の名前)の△△がん進展に関わる役割
・〇〇(病気の名前)発症後の遅発性脳障害の病態に関する研究
・〇〇粒子の血管系への影響の検討
・環境因子による発がん機構の解明
・医療従事者向け〇〇プログラムの開発
等、約60のテーマが用意されていました。
基本的にはテーマに沿って行っていきますが、もし学生に何か特別な希望があれば、希望により柔軟に進めていくことも大抵は認められています。
医学部6年間では研究なんてやらない…という知恵袋の回答をたまに見かけますが、このようにイロハのイ ぐらいのことはします。ただ、大学により取り組みに対する温度差はあります。医学部はやはり医師を養成する場であり、本格的な医学研究は大学院医学研究科以降の話だと思います。
ですが、③で述べた通り、研究マインドを持った学生を育てようとする意図で学部から積極的に取り組んでいる大学は決して少なくありません。1年生の時から研究室に所属して、他の医学生が驚くほどの内容の研究を行っている学生も(決して多くはないですが)います。
一方で、こんな話もあります。某大学では3年次のほぼ1年間が何らかの研究に当てられます。しかし、これについて、研究費を毎年引き続いてもらうために無難に結果が出るテーマを選んでおいて、体裁を整えているだけではないのか…という医学生側の厳しい見方もありました。
あくまでも一意見ですが、そういった側面も実際にあるのかもしれません。
4年生で
・CBT(シービーティー:Computer Based Testing)
・OSCE(オスキー:Objective Structured Clinical Examination)
という試験があります。これらに合格しないと附属病院で行われるその後の臨床実習を受けることができません(留年になります)。臨床実習のための仮免許だと言われることがありますが、実際そういう位置付けです。
CBTは選択式の学科試験で、プールされた多数の問題の中からコンピューターにより出題されるものです(隣の受験者とは違う問題が出ます)。まる1日がかりの試験です(60分の試験が6つ)。
OSCEは臨床実習を行えるだけの能力を身に付けているかを試す実技試験です。こちらもまる1日がかりです。
CBTは普通に勉強していれば誰でも受かるから心配は要らない…と言われますが、意識して早い時期から勉強に取り組む人もいます。さすがに試験直前になると放課の時間はもちろん、夜遅くまで図書館に残って問題集に取り組む学生の姿が目立ってきます。
CBTやOSCEは4年次に行われるものですが、それらの実施時期は大学により異なります。年度末の遅い時期に行う大学もあれば、夏など早い時期に行う大学もあります。早く実施する大学ではできるだけ早く後述する臨床実習を開始させようとする狙いがあります。ですから、早い大学では4年生の途中から臨床実習が始まるわけです。
【CBT/OSCE】
CBTやOSCEの合格後、5年生から6年生の前期まで医療機関にて臨床実習を受けます。
5年生では主として大学附属病院でポリクリまたはクリクラ(注5)と呼ばれる臨床実習があります。長い科で数週間、短い科で1週間と科により期間は異なりますが、各科を学生5~7人の班で全ての科を順にまわっていきます。
臨床実習は6年生の前期頃まで続き、大学病院だけではなく外部の市中病院を希望してまわることもあります。一部の大学では提携先の海外で4週間程度実習が行えることもあります。
臨床実習期間の合計は60~72週ぐらいです。少し前までは60週前後の大学も多く、それ未満の週数の大学もありますした、今後は72週が標準になっていくはずです。
実習中に、先の⑤にも書きましたが、大学病院に海外から医師や医学生が来ていて、カンファレンスを英語で行うことがまれにあり、英語で苦労する学生もいます。
【クリクラ(クリニカルクラークシップ)】
なお、土曜・日曜・祝日は休みです。わたしの大学では夏季休暇は4週間で、この他、冬季、春季、GW等にも休暇はあります。
大学によっては、6年次の臨床実習終了時点または5年次において、診察技能をチェックする試験(Advanced OSCE と呼ばれます)があります。
6年生後期に卒業試験が行われます(注6)。
大学により時期は異なりますが、秋に数週間に渡って行われるパターンが多いようです。科目数は20~30科目で、どこで科目の単元を区切るかにより、その数だけ試験があります。週2回、各2科目のペースで実施されるパターンが多いようですが、本番の医師国家試験を意識して3日間連続の詰め込み試験を何回か行う某私立大学の話も聞いています(当時の医師国家試験は3日連続でした)。
各科目とも本試験で不合格だと再試験が実施されますが、わたしの大学では本試験で一定科目数以上を落としていれば再試験の受験資格を失い、その時点で留年が決まります(卒留とか卒業延期などと呼んでいます)。
注6:卒業試験がなく、6年生の10月頃まで臨床実習がある大学もあります。
そして、6年生の2月に医師国家試験が3日間(2018年からは2日間)にわたり行われます(詳細は⑧参照)。
国家試験も大変なのですが、卒業試験もそれ以上に大変なようです。国試よりも卒試の方が大変だった…と言う経験者の話も聞きます。
6年間のカリキュラム概要をわかりやすく述べている例として、名古屋大学のサイトを引用します。
【医学部カリキュラム】
【医学部カリキュラム】
⑦ 留年について
進級の制度は大学によりまちまちのようで、{1年生→2年生}は留年の制度がない大学もありますし(つまり、誰でも自動的に2年生になれる大学)、成績が悪いと2年生になれない大学もあります。
{2年生→3年生}はどの大学でも成績不良による留年制度があるはずです。
その「成績不良」ですが、1科目落としただけなら進級を認めている大学があります。これは仮進級と呼ばれています。一方、仮進級のない大学もあり、その場合1科目でも落としたら留年になります。
恐らく仮進級の制度のない大学の方が多いでしょう。某国立大学では1年次の医学英語を落としただけで1年生をもう一度…という学生の話も聞きました。
各科目の難易度、試験の合格率は担当の先生により異なります。講義の出席を試験の点数の一部として重視する先生もいれば、試験さえ通ればいい(注7)という先生もいます。また、先輩などから入手した過去問をほとんどそのまま出題し、「普通にできていれば落とすつもりはありません」と言われる先生もいれば、過去問の丸暗記では得点できないよう、新作問題を毎回出題をする先生もいます。
その辺は先生によりいろいろです。
注7:基本的には講義の出席が3分の2以上ないと受験自体を認めていない大学が多いです。
本試験で不合格になった科目には再試験があります。再試験も不合格ですと “単位を落とした” ことになります。先生によっては、再々試やレポート等で救済措置を取ることはあります。ですが、基本的に再試で不合格なら落としたことになり、翌年に取り直しです。仮進級のない大学ならこれで留年です。
試験勉強については、多くの学生は過去問を入手して対応していることが多いです(これがはたして良いことなのか少々疑問ですが…)。それ以外では、たとえば臨床医学科目の場合は問題集(クエスションバンク等)で該当箇所を勉強している人が多いようです。
【試験について】
大学によっては留年者が大量に出る話を聞くことはあります。いくつかの大学では、鬼の進級判定…などと言われることがあります。
「6年間ストレートで卒業できない人が全体の3分の1もいる」という話は複数の大学でよく聞きます。
某大学では「2年生から3年生に上がれなかった留年者が23人いた(学年の2割が留年)」と、そこの学生から直接聞いたことがありました。
ちなみに、わたしの大学では、上記の大学で23人が落ちた年に2年生で留年した人は6人でした。
一方で、「留年6人でも多い。1学年20人以上も留年者が出るなら教育者の責任問題になるんじゃないの。うちではゼロだった」とコメントした別の大学の医学生もいました。
*医学部6年間をストレートで卒業する学生の割合:古いデータですが、2007年度で87%
どの学年から上に上がるかにもよりますが、{2年生→2年生}の留年が最多のようです。あまりデータはありませんが、1学年で留年0人とか20人以上とかはやや極端な例なのかもしれません。このように大学により差異があるようですが、わたしが知る限り、留年が最多の学年で、数人から10人程度の数なら特に不思議なことではない…と考えておいていいと思います。
どの学年から上に上がるかにもよりますが、{2年生→2年生}の留年が最多のようです。あまりデータはありませんが、1学年で留年0人とか20人以上とかはやや極端な例なのかもしれません。このように大学により差異があるようですが、わたしが知る限り、留年が最多の学年で、数人から10人程度の数なら特に不思議なことではない…と考えておいていいと思います。
続く。
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